【第3章:風船について知りましょう】

1.風船の種類

使用する風船は何でも良いというわけではありません。
スーパーのおもちゃ売場とか駄菓子屋さん(今もあるのかな?)に置いてある 国内製の細長い風船は使えません。薄く耐久性がないのですぐに割れてしまい ます。
造形にはこれから紹介する海外製の風船を使ってください。

一口に風船と言っても何種類もあり、海外の風船のカタログ類を見ると風船を 数字3桁とアルファベット1文字で表しています。
最初の数字は風船を全部膨らませたときの直径を示し、2番目と3番目の2桁 の数字で長さを示します。そして、最後のアルファベットは風船の製造者ブラ ンド名を示します。
例えば、「260Q」というのは膨らませた時に風船の直径が"2"インチ、長 さが"60"インチになるような風船のことを示し、Qは"Qualatex"と いうブランド名を示しています。

また、数字の後に「260A」といったようにアルファベットが付いているこ とがあり、これは風船のタイプを表すもので「A」はAverage Strength Walls、 「E」はExtra Strength Wallsという意味で、従って比較すれば「A」は「E」 よりも膨らませ易いけれど割れ易いということになります。

では実際にどんな風船があるか見てみましょう。

(1)風船の大きさからの分類

・130(スパゲッティバルーンとも呼ばれます)
・245/260/280/350/360
 (このあたりは細長いのでペンシルバルーンとも呼ばれます)
・312/315/340/418/524
 (このあたりは飛行船のような形なのでAirshipsとも呼ばれます)
・321(蜂の造形によく使われるのでビーバルーンとも呼ばれます)
・320(リンゴの造形によく使われるのでアップルバルーンとも呼ばれます)
・Heart Balloon
 (ハート形の風船で大きさは6"インチ(15cm)、11"(28cm)等があります)
・Blossom Geo
 (ドーナツ形で花びらの形状をした風船で大きさは6"インチ(15cm)、16"(40cm) 等があります)
・Round Balloon
 (お馴染みの球状の風船で、「C」が付くとClearという意味で透明な風船です)

まだまだありますが、風船造形芸としては、Pencil Balloon(特に260)を一番 良く使うのでまずはこの風船を入手して練習を始めてください。

<写真説明>

Pencil Balloon

上から

・130(しぼんだ状態)
・130(少し膨らませた状態)
・260(しぼんだ状態)
・260(少し膨らませた状態)
・360(しぼんだ状態)
・360(少し膨らませた状態)

<写真説明>

Bee Balloon と
Apple Balloon

上から

・321(しぼんだ状態)
・321(膨らませた状態)
・320(しぼんだ状態)
・320(膨らませた状態)

<写真説明>

Heart Balloon

左から

・11インチ(膨らませた状態)
・11インチ(しぼんだ状態)
・ 6インチ(膨らませた状態)
・ 6インチ(しぼんだ状態)

<写真説明>

Blossom Geo

左から

・16インチ(膨らませた状態)
・16インチ(しぼんだ状態)
・ 6インチ(膨らませた状態)
・ 6インチ(しぼんだ状態)

<写真説明>
Round Balloon
左から
・11インチ(膨らませた状態)
・11インチ(しぼんだ状態)

(2)風船のブランド名からの分類

以下のブランドをよく見かけます。

 ・Q(Qualatex)
 ・P(Prestige)
 ・T(Tilly)
 ・S(Superior)
 ・G(Gayla)

[260バルーン商品テスト:1994年6月25日実施]

それぞれ特徴があるので商品評価のためのテストを実施してみました。
使用したバルーンは、260Q(Qualatex)/260G(Gayla)/260P(Prestige)/260T(Tilly)の4種です。
結論から言うと入門者にはQualatexをお薦めします。

                                          
260Q260G260P260T
価格$6.00$5.50$6.00$6.00
重さ212 g/gross252 g/gross237 g/gross170 g/gross
生産USA&CanadaUSACanadaUSA
9色
黒、緑、白、赤、黄、紫、桃、橙、水色
9色
緑、白、赤、黄、紫桃、橙、青、透明
9色
緑、白、赤、黄、桃、紫、赤紫、青(2種)
6色
緑、白、赤、黄、紫、青
感触Qを標準的とします ちょっとごわっとする感じ 手のひらにしっとりと馴染む 見るからに薄そう
膨らみQとGは大差なしこりゃ、きつい! 薄い分いちばん楽
造形音Gの方がやや静かかな!?大差なし 一番静か 最悪
造形のしやすさQとGは大差なしいちばんスムーズにできるすぐ割れそうで扱いにくい

(補足)
・色の質については個人の好みがあるのでどれが一番きれいとはなんとも言えま せんが、Pはパステルカラー調で白みがかっています。例えば黄色の風船を通し てQ、G、Tは新聞を読む事ができますが、Pはできません。Tは見るからに薄 いです。
それは赤色とか緑色とかにも言えますが、紫色や白色に関しては4つともどれも 同じようなものです。
・膨らますのはQとGは同じようなものですが、Pはきつい!260でも一息じ ゃ膨らみません。Tは薄い分4つの中で一番楽です。
・造形の最中のあのキュッキュッという音ですが、膨らませた風船を手のひらで なぞってみました。Tは最悪で非常に高音のキ〜ッという音がすぐ出ます。
確かにPは、QやGに比べて音は出にくく、造形に関しても手のひらにしっとり ときて、造りやすいです。


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