はじめにホームページへ戻る最近まで「雑技」という言葉は、単なる「サーカス、曲芸」の中国語訳としてとらえていたのですが、それが大変大きな誤りだということが雑技を観ていくうちに気づきました。いうならば「雑技」は「雑技」であって、「サーカス」でも「曲芸」でもないのです。
それはちょうど日本の歌舞伎や狂言が大衆芸能として育ち、今や世界的な民間芸術として認知されているように、雑技も中国独自の文化から生まれ伝承されてきた世界で唯一の民間芸術なのです。従って「雑技」訳を「中国版サーカス-Chinese Circus-」とか「中国版アクロバット-Chinese Acrobat-」とするのは、誤りであるのと同時に失礼だと思います。
衣装、道具、舞いなど、恐らくそれぞれに意味合いがあり、中国の歴史と文化に精通していなければ、雑技を十分に堪能できないと実感していますが、少なくとも曲技的な演目に関する用語集があれば雑技に親しみ安くなるだろうし、何より雑技公演の鑑賞記録を残す際に便利だろうと思い、本用語集をまとめてみました。
なお誤記、追加などご指摘いただければ幸いです。雑技演目を以下の9通りに分類して説明しています。なお中国語の表記方法に関しては、「資料3.中国語の表記方法について」を参照して下さい。
倒立、跟斗(トンボ返りなどの回転運動のこと)を基本として成り立っていて、アクロバティックな動きを主体として演技を行う。
平衡能力をマスターした上での演技で、全ての動きの中に静止があり、演者は高度の平衡技術を披露する。
何らかの小道具を使って、きびきびした小振りな技でしかも休みなく続けざまに演技を行う。「[而/女]」と「弄」とは、たわむれる、遊戯という意味。
ここでは、以下の3種類に分ける。
- (1)投げと受け止めの、抛接類「抛」は放つ、投げ飛ばすの意味
(2)旋回させる、旋転類
(3)正確技の、准確類
馬戯はもっぱら訓獣ないし雑技演技の総称で、あらゆる動物戯が含まれる。このページの先頭へ戻る
馬術、馴熊、馴狗、馴猴羊、馴熊猫、など。
演技の形式は馬術(曲馬)や演者によって訓練されたライオン・虎・熊・犬・猿・羊・鳩などの獣が各種の技や動作を行い、これと並行して雑技や滑稽が演じられることもある。
口の内部を鍛練して様々な音をまねる芸。このページの先頭へ戻る
虫、鳥、獣、機械等の音や生活上の出来事の音を模倣する。
魔術、幻術と称するマジック(奇術)のたぐい。このページの先頭へ戻る
雑技の余興的な演目で、これらの演目は【丑】と称され道化役によりユーモラスな語り口、滑稽な仕草が演じられる。このページの先頭へ戻る
演者が動物に扮して演技するもの。獅子舞、龍舞、蛤蟆舞など。このページの先頭へ戻る
パソコン通信ニフティサーブ内の外国語フォーラムFLMでの中国語の表記法を引用させていただきました。
以下、一部抜粋: