《5ボールジャグラーへの道》


はじめに

 ジャグリングを始めた人にとっての夢である、「5ボールのカスケード投げ(以下5カスケードと言う)」を習得するにはどのように練習すればよいのでしょう。
ジャグリングの教本、インターネットの ホームページ(Juggling Information Service)、そしてニュースグループ(rec.juggling)などを参照してみても、5カスケードをマスターしている人に直接手ほどきを受けるのが一番良いと記述され、練習方法に関する説明が充分になされているとは思えません。と、言っては言い過ぎでしょうか。

 では、身近に教えてくれる人がいなければ、5カスケードの習得はあきらめるしかないのでしょうか。そんなことはないはずです。
これから紹介するトリック(投げ方)をマスターしていけば、人に手ほどきを受けずに必ずあなたも5カスケードができるようになります。もちろん随時適切なアドバイスをしてくれるようなジャグラーが身近にいるにこしたことはないのですが、やる気と根気さえあれば独修できます!!。

  1. チャレンジするにあたってどの程度の技術が必要なのか
  2. どこで練習するのか
  3. どのくらい練習すれば習得できるのか
  4. 練習中気をつけることは何か
  5. 具体的に何を練習すれば良いのか
  6. 他の人のアドバイスも聞いてみましょう

チャレンジするにあたってどの程度の技術が必要なのか

ジャグリングをし始めの頃は3ボールカスケードができるとすぐに、よしっ!次は4個だ5個だ、と数だけを追いがちになりますが、4個から5個への難しさは、3個から4個への難しさの比ではありません。
この程度の技術があれば5カスケードに挑戦する資格がある、などと個人差もあることなので定量的な表現は出来ませんが、数だけを追う前に、無数とも言える3個や4個のトリックを楽しみボールに充分慣れてから、5個へ挑戦するのもひとつの考え方だと思います。
例えば目安として、人前で見せるつもりで3ボールと4ボールの組み合わせで2〜3分間のボールジャグリングのルーティンが組める程度になってからチャレンジする、というのはどうでしょうか。
また、とりあえず具体的に何を練習すれば良いのかで紹介しているトリック(投げ方)を試してみて、自分の実力を推し量りつつ、5カスケードに向けての練習をスタートするというのもひとつの手かもしれません。

どこで練習するのか

私の場合、自宅の和室が主な練習場所でした。

どのくらい練習すれば習得できるのか

一回に費やす練習時間や習得するまでの期間など、これこそ個人差があるので何とも言えませんが、とにかく気長にやって下さい。
一回の練習時間としては、もう少し練習したいなぁ、という腹八分目状態で止めて、できれば毎日練習することが望ましいでしょうね。でもどうしてもやりたくない時には無理をして練習せずに、意欲がある時に短い時間でも集中して練習した方が効果的のように思えます。
とにかく、いつか出来るようになるさ、と気楽に気長に構えてストレスをためずに練習していきましょう。習得するまでに時間がかかる事なので、5カスケードに必要な要素技術を一つ一つ身につけていく以外方法はありません。

練習中気をつけることは何か

練習の際に気をつけることは以下の通りですが、これはボールの数に関わらずどんなトリック(投げ方)の練習でも常に気をつけていなければならないことです。

具体的に何を練習すれば良いのか

これから紹介するトリック(投げ方)を練習しましょう。
ここでは、5カスケードに必要なボールの高さの保持、動きの速さ、リズム・タイミング、コントロールの正確さ、腕の柔軟性、集中力などの要素技術を一つ一つ身につけていくことにあります。
従ってそれぞれのトリック(投げ方)にはターゲットとする要素技術の習得という目的があるので、どれか一つを練習すれば充分というものではありません。
かと言って全てを練習する必要もないので、練習のバリエーションとしてとらえて飽きがこないように練習していきましょう。
  1. 2ボール(Chase)
  2. 3ボールカスケード(Hight)
  3. 3ボールカスケード(Tap)
  4. 3ボールカスケード(Flash)
  5. 3ボール(Mountain)
  6. 3ボール(Chase)
  7. 4ボール(Shower)
  8. 4ボール(Chase)
  9. 4ボール(Flash)
  10. 4ボール(Mountain)
  11. 5ボールカスケード

    私はやりませんでしたが、次のトリックも有効のようです。

  12. 4ボール(One Hole 1)
  13. 4ボール(One Hole 2)

【2ボール(Chase)】
ボールを2個を使います。
後で解説するトリック【3ボール(Chase)】の事前練習として位置づけて下さい。
チェイス という名の通り、ボールがボールを追いかけていくという動きをします。
右手に2個(a,b)持ち、a,b を左上に続けて投げ、落ちて来たボールを左手で受けながらa,bと投げ、今度は右手でボールを受けながらa,bと投げ・・・・と続けます。
   [右手] aを左上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
[左手]    aを取って右上に投げる
[左手]    bを取って右上に投げる
以下繰り返し。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜まず2個」を選択。(サイトスワップ=50500)
【3ボールカスケード(Hight)】
ボールを3個を使います。
単純な3ボールカスケードですが、高く投げて上げて下さい。
具体的には、投げ上げたボールが天井に当たるくらいの高さです。
つまらない練習かもしれませんが、ボールを前後左右にぶれずに、一定の高さに投げ上げる難しさが実感できると思います。
基本中の基本動作なので、練習中気をつけることは何かで挙げた点を常に意識しながら、自分の姿勢やボールの動きをチェックしつつジャグリングをして下さい。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「3カスケードの練習〜3カスケード すべての基本」を選択。(サイトスワップ=3)
【3ボールカスケード(Tap)】
ボールを3個を使います。
3ボールカスケードをしますが、一つのボールが頭上に上がっている時に、右手に握っているボールと左手に握っているボールとをへその前あたりで叩きます。
叩いた後は通常のカスケードに戻ります。
慣れたら連続してやってみましょう。
5カスケードで必要なテンポの感覚を体感しましょう。
【3ボールカスケード(Flash)】
ボールを3個を使います。
3ボールカスケードをしますが、テンポを早め素早くボールを投げ上げることにより両手を空の状態にさせます。できればボールが手元に落ちてくる前に手を叩きます。
叩いた後は通常のカスケードに戻りますが、慣れれば連続して行うようにします。
ちょうど5カスケードから2個ボールを欠いた動きになります。
練習中気をつけることは何かで挙げた点を頭におきながら5カスケードで必要なスピード(リズム)感覚を養いましょう。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜フラッシュ」を選択。(サイトスワップ=55500)
【3ボール(Mountain)】
ボールを3個を使います。
これも後で解説するトリック【3ボール(Chase)】への布石としての練習として考えて良いでしょう。
2個のボールによるチェイスに、左右の手を移動するだけのボールが1個加わったという動きをします。
右手にボール2個(a,b)、左手に1個(c)持って始めます。
   [右手] aを左上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
[左手]   (aが落ちてくるから)cを右手に移す
[左手]    aを取って右上に投げる
[左手]    bを取って右上に投げる
   [右手](aが落ちてくるから)cを左手に移す。
以下繰り返し。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜3個の始め」を選択。(サイトスワップ=52512)
【3ボール(Chase)】
ボールを3個を使います。
チェイス という名の通り、ボールがボールを追いかけていくという動きをします。
右手に3個(a,b,c)持ち、a,b,cを投げ、飛んでくるボールを左手で受けながらa,b,cを投げ・・・・と続けます。右手がcを投げ上げたすぐ後に、左手がaをつかみながら、aを投げるというタイミングです。
   [右手] aを左上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
   [右手] cを左上に投げる
[左手]    aを取って右上に投げる
[左手]    bを取って右上に投げる
[左手]    cを取って右上に投げる
以下繰り返し。
ちょうど5カスケードから2個ボールを欠いた動きになります。
特に利き腕でない手で投げ上げたボールのコントロールに気をつけましょう。もちろんリズム感覚も重要なチェック項目です。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜チェイス」を選択。(サイトスワップ=50505)
【4ボール(Shower)】
ボールを4個を使います。
いわゆるシャワーですが時計回りと反時計回りの両方を練習しました。
特に時計回りは左手がコントロールの主導権を握るので、右利きの私には難しかったので、練習方法としてこんな事をしてみました。
シャワーの頂点が天井の高さになると想定し、頂点になる所にマーキングとして小さなシールを1枚貼りました。
3ボールシャワーを行いますが、姿勢は立ち上がった状態で、全てのボールが天井のマーキングに当たるように投げ上げます。
天井にぶつかったボールは跳ね返って下へ落ちてきますが、当然ぶつけない場合に比べてぶつけた方がボールの周期時間が短くなります。
マーキングへボールを投げ当てるコントロールとボールの早い周期(速い回転)に対応する手の運動の訓練になります。
数十回連続して出来るようになれば4ボールシャワーの練習に移行します。 でもこの練習方法は天井にぶつけるたびに大きな音がして、周囲に迷惑がかかりますので注意しましょう。
シャワーの場合はカスケードの時の手の位置とずいぶん違うので、ここでは手の早い動きに慣れるという目的意識を持って練習しましょう。
ただし5カスケードのための練習として、シャワーが適切かどうかは私自身疑問のあるところです。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「シャワー〜4シャワー」を選択。(サイトスワップ=71)
【4ボール(Chase)】
ボールを4個を使います。
3ボールによるチェイスが 右右右、左左左、右右右、... という感じだったのに対しこれは右右、左左、右右、左左、...という感じになります。
右手3個(a,b,c)、左手1個(d)からスタートします。
   [右手] aを左上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
[左手]   (aが落ちてくるから)dを右上に投げる
[左手]    aを取って右上に投げる
   [右手](dが落ちてくるから)cを左上に投げる
   [右手] dを取って左上に投げる
以下繰り返し。
なお、3個からスタートするときの最初に投げるのが安定しなければ、2個ずつ持って始めることもできます。その場合は、右、左左、右右、左左、...となります。
【4ボール(Flash)】
ボールを4個使います。
単に右手と左手に持ったボールを交互に投げあうだけです。
右手2個(a,b)、左手2個(c,d)からスタートします。
   [右手] aを左上に投げる
[左手]    cを右上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
[左手]    dを右上に投げる
[左手]    aを受け取る
   [右手] cを受け取る
[左手]    bを受け取る
   [右手] dを受け取る
以上。
上記は右手から投げ始めた場合ですが、左手から投げ始める練習も併せてしましょう。
リズムとして5カスケードよりややスローでも気にせず、ここではボールの高さが一定か、ボールの軌跡が一定か、つまり前後左右にぶれないかなどをチェックポイントとして練習しましょう。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜4個に挑戦 その1」を選択。(サイトスワップ=[52][52]55022[22][22])
【4ボール(Mountain)】
ボールを4個使います。
右手2個(a,b)、左手2個(c,d)からスタートします。
   [右手] aを左上に投げる
[左手]    cを右上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
[左手]    dを右手に渡す
   [右手] dを受け取ったらすぐに左上に投げる
[左手]    aを受け取りすぐに右上に投げる
   [右手] cを受け取りすぐに左上に投げる
[左手]    bを受け取りすぐに右手に渡す
   [右手] bを受け取ったらすぐに左上に投げる
以下繰り返し。
少し分かりずらいでしょうか。別の表現で説明しましょう。
(時刻)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ....
[右手]a   b   d   c   b   a ....
[左手]  c   d   a   b   d   ....
(時刻)はボールを投げるタイミングを示し、数字の番号が時系列を表します。
時刻1では、aを右手から左手へ、つまり左上へ投げます。
時刻2では、cを左手から右手へ、つまり右上へ投げます。
時刻3では、bを右手から左手へ、つまり左上へ投げます。
時刻4では、dは左手からすぐ右手に渡してしまいます。そしてもらった右手は、それをすぐ左上へ投げるのです。
これの繰り返しです。a,b,c の動きが5個と一緒だから、5 個へのトレーニングになります。
時刻4から5への動き(左手からすぐ右手)をするボールは、表を見ればわかるように、d,b,c,a....と変わっていきます。
これが出来るようになる頃には動体視力が向上しボール全体が”見える”ようになり、ボールの軌道修正も可能となっていることでしょう。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜4個に挑戦 その4」を選択。(サイトスワップ=5551)
【5ボールカスケード】
ボールを5個を使います。
このトリック(投げ方)そのものが5カスケードです。 とりあえず練習として、5カスケードの一周期分だけをまず投げてみます。
右手3個(a,b,c)、左手2個(d,e)からスタートします。
   [右手] aを左上に投げる
[左手]    dを右上に投げる
   [右手] bを左上に投げる
[左手]    eを右上に投げる
   [右手] cを左上に投げる
[左手]    aを受け取る
   [右手] dを受け取る
[左手]    bを受け取る
   [右手] eを受け取る
[左手]    cを受け取る
以上。
上記は右手から投げ始めた場合ですが、左手に3個、右手に2個を持って左手から投げ始める練習も併せてしましょう。
ここでは一定のテンポ(タイミング)でリズミカルに投げられるようチェックしながら練習しましょう。

別の表現で説明します。
(時刻)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ....
[右手]a   b   c   d   e   a ....
[左手]  d   e   a   b   c   ....
前述の説明による練習は時刻5で終わる事を表しています。が、慣れれば時刻6まで、次に時刻7までと、順次時刻を延ばして練習していきましょう。
でもあせって時刻をどんどん先に進めないで、不安があれば他のトリック(投げ方)も併せて練習して技術力を向上させつつ基礎を固めていきましょう。急がば回れ、です。
時にはボールが床に落ちる手前で止め、時には続けられる限りボールを投げ続けたりと、各人工夫して練習しましょう。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜5カスケード」を選択。(サイトスワップ=5)
【4ボール(One Hole 1)】
ボールを4個を使います。
5個のカスケードから1個欠けたパターンです。
右手2個(a,b)、左手2個(c,d)からスタートします。
(時刻)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ....
[右手]a   c   *   b   d   a ....
[左手]  b   d   a   c   *   ....
ここで*印は、何もしない”休み”の状態を表します。
5個のカスケードなら、右手3個、左手2個からスタートするのが、右手に2個しかないので、時刻 5で投げる玉がないのです。その1回休みのあと、左右逆になって、またaから始まります。右手が空を切るところのタイミングがとりにくいかもしれません。
私はリズム音痴なのでしょう。1回休みが入るよりも、むしろ5個あったほうが同じリズムで続けられるのでこのトリックはやりにくいので練習しませんでした。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜4個に挑戦 その2」を選択。(サイトスワップ=55550)
【4ボール(One Hole 2)】
ボールを4個を使います。
5個のカスケードから1個欠けたパターンです。
右手2個(a,b)、左手2個(c,d)からスタートします。
【4ボール(One Hole 1)】は、(投投投投休投投投投休...)でしたが、このトリックは、(投投休投投休投投休...)です。
(時刻)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ....
[右手]a   *   b   c   *   d ....
[左手]  c   d   *   a   b   ....
ここで*印は、何もしない”休み”の状態を表します。
右(a)、左(c)と投げたら、右(b)を投げずに一拍おいて、左(d)、右(b)と投げて、d,bを投げたとき、落ちて来たa,cを受けます。
次は、左(a)を投げずに一拍おいて、右(c)、左(a)を投げます。
最初に右、左と投げたら、落ちてくるのは、左(先に右手で投げたボール)、 右(2番目に左手で投げたボール)の順ですから、そのボールを受けるために、 次は左、右と投げるわけです。 そして次は右手、左手に落ちてくるから、投げるのは右手、左手の順...という具合に繰り返すわけですが、リズム音痴の私にはリズムがつかみにくいので練習しませんでした。

《参考》
ジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"中、「5カスケードの練習〜4個に挑戦 その3」を選択。(サイトスワップ=552)

『注』:サイトスワップについて
参考資料:
5カスケードの練習方法について、メールでアドバイスを頂いた増田和悦さん、そしてジャグリング修得支援ソフト "JuggleMaster"の作者である松岡顕さん、ありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。

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