★あらすじ:
リュシアン・ロッテは30才代の小人。
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![]() △写真提供:ケイブルホーグ |
![]() △写真提供:ケイブルホーグ |
★見終わって:
この作品は『詩』です。
どうにもパターン化された映画を見慣れているせいか、これってハッピーエンド!?それとも・・・と、二者択一をしたがってしまいますが、どちらでもあり、どちらでもありません。 これは『聖なるものと俗なるもの偉大なものと卑小なものとが独特な形でまざりあい、生の双極が対角線上に仲立ちなしに向かいあう。せめぎあう誕生と死、祝福と呪詛、青春と老残、愚昧と叡智、上と下。「道化 -つまずきの現象学-」』とサーカスがいわれるように、まさしくこの映画そのものがサーカスであり、固定的な秩序や既成思考の枠組みの解体者がクラウンだとするならば、主人公自身の生き方がクラウンそのものの化身だからなのでしょう。
映画の中で彼は職をはじめ全てを捨て、小さなファミリーサーカスの一員になり、クラウンとしてリングに立つようになります。
モノクロ作品ですが、ラスト近くに数秒だけカラーになるシーンがあります。彼の顔がスクリーン上で大写しになるのですが、とてもとても印象的なシーンです。 ちなみに、映画後半はサーカスを舞台にしているのですが、あまりサーカスシーンは出てきません。ましてやジャグリングなんぞは団員の練習風景でディアボロとクラブのシーンがほんの数秒出てくるくらいですが、サーカスの匂いはたっぷりと嗅ぐことが出来ます。
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