- kaja ソロライブ(2000.6.29)
- 次世代ワールドホビーフェスティバル(2000.6.24)
- 上海雑技団・百戯春秋(2000.6.12)
- イリュージョン IN YOKOHAMA 2000(2000.5.30)
- ストリートパフォーマンス(2000.5.27)
- ランス・バートン(2000.5.5)
- ストリートパフォーマンス(2000.5.3)
- ノーラ・レイ(2000.4.30)
- SUMIDA 国際フール祭・フールコングレス(2000.4.30)
- フランツ・ハラーレイ(2000.4.29)
- ジュリアン・シャグラン(2000.4.28)
- あらい汎と立川真也(2000.4.28)
- BPズーム(2000.4.25)
- 野毛大道芸(2000.4.22〜23)
- SUMIDA 国際フール祭・オープニングショー(2000.4.20)
- ジャグリングワークショップ(2000.3.31)
- バルーンマジックセミナー(2000.3.27)
- サーカス物語(2000.3.24)
- クラウンのいる風景−RONE & Gigi−(2000.3.21)
- 小出直樹ソロライブ(2000.3.15)
- 元気いいぞう三〇日歌会(2000.2.29)
- ストリートパフォーマンス(2000.2.12)
- 赤い小人(2000.2.2)
- ボリショイサーカス(2000.1.18)
- NANTA(2000.1.14)
苦言を幾つか。
暗転下でのロープを使ってのスウィンギングは、ロープの蛍光度合いがしょぼくて効果半減でした。
ギターやヘッドセットによるコント(と言って良いの!?)は、もっともっと改良の余地があるように思えます。つまりもっともっと面白くなるはずだから、今後のバージョンアップを期待します。
綱の上でのバランス芸は無くても良かったのではないのでしょうか。
プログラムの流れからも、そしてplanBという場所からしても、個人的には違和感を覚えました。
しっかし、planBはジャグリングをするには狭すぎます。
これがkajaさん得意のハットジャグリングやバランス芸ならば良いのですが、天井の低さはトスジャグリングのダイナミックさを殺してしまいます。でも上にぶつかったボールが急降下しつつもピルエットしながらキャッチするkajaさんの技量には脱帽。
さてワークショップに配られた紙には、レクチャーで述べられた彼の考え方が要領良くまとまっています。
面白いことに、ジャグリングということを抜きにして今一度読み直してみると、ここで説かれていることは例えば身体パフォーマンスの全てのジャンルに言えることではないでしょうか。
一つの芸能を極めた人から発せられる言葉は、全ての芸能に共通しているというのは非常に興味深いことです。
私がワークショップに参加するのは技術を学ぶというよりも、彼のようなプロから"パワー"を少しでも頂戴するのが目的です。
またネット上でしか知らないジャグラーの方々と知り合えるのも楽しみの一つです。
通訳の中嶋さんは、ジャグリングに関しては強者(つわもの)であるだけに、トニーさんの言葉の真意をくみ取り、単なる直訳ではなく我々参加者のストレスをためることなく通訳に努められていました。
ただエミリーズバルーンはバルーンデコレーションを業務とする会社なので、大道芸人がほんの十数秒で造ってしまう、例えば動物のたぐいではなく、人手も時間もかかる装飾用の造形が中心でした。
ほんのちょっとしたノウハウを知っているか知らないかで、造形物の出来具合を左右してしまいます。そんなコツを聞けたのは収穫でした。
リンコルーンバルーンは、ラウンドバルーンの吹き込み口の反対側にしっぽがついているバルーンです。
このおかげでバルーンを縦列接続することができ、今までクラスタに頼りがちだったデコレーション方法に幅が出てきました。なかなか面白いバルーンです。
自分がパフォーマンスをする際に、あまりに周りが殺風景だと事前にバルーンで飾り付けすることがあります。
一人で前日から用意して、当日朝早く作業するのでそれだけで疲れちゃうけれどね。
バルーンは色鮮やかでボリューム感もあるので、パフォーマンス会場に色を添えるにはうってつけです。
(海外のことは良くは知らないが)どうも日本のイベント類は、楽しさを演出する工夫が足りないような気がします。ショー自体の中味は当然重要だけれど、環境演出も大切だと思います。
ジャグリングサークルも各地にできつつあり、自主的なイベントも活発に行われているようなので、そのような時には予算と作業員に余裕があれば、是非バルーンでデコレーションすることをお勧めします。
昔に比べればバルーンの価格もリーズナブルになってきたし、ビデオや書籍等の教材も豊富に揃っているので、その気になれば独習できます。
やがて空き地にセッティングされた一丁ブランコで、マリーズ・ムジカさんが優雅に空中アクトを演じ、あるいはいはらつトムさんが火吹きを披露たりして、団員たちが焚き火の周りに集まり、ピエロのジョジョが登場して前述のストーリーに入っていきます。
少女エリがピエロのジョジョにお話をせがみ、そのお話が始まるところで観客はテントの中へ移動し、男の語る世界が目の前に現れ始めるという演出です。
最初のうちはあまりに壮大なファンタジーな内容と、生身の人間が演じているそのさまのギャップについていけませんでしたが、演者の技量のおかげでやがてリラックスして楽しめるようになりました。
物語の間にジャグリングやサーカス芸(空中アクト、綱渡り)が挿入されますが、ストーリーが分断されないがための演出上の苦労が察せられます。
2人の男たちが肉体芸、マジック、皿回しあるいはボールジャグリング等で競い合うのですが、その掛け合いは笑えました。
ジャグリングもサーカス芸もたっぷりとは観ることができませんが、演劇(ミュージカル)と曲芸とをミックスさせるという実験的試みは、「鳥獣戯画」と「むごん劇かんぱにい」ならではの企画かと思います。
さてテントの中ではみごと王女と王子が巡り会い、魔性の女を退治して"明日の国"を取り戻すというハッピィエンドですが、王女とはエリであり王子とはジョジョであるという夢と現実が倒錯した不可思議な現実の世界でも、エリを手放さずに団員が一緒になってこれからも活動するという結末を迎え、観客は再度テントを出ます。
外ではブルーノ・セラティさんが空中ブランコを、ディディエ・パスケットさんが綱渡りを演じます。それはまるで夜空の月に吸い込まれて行くが如く、テントの頂点まで張られた何十mもの綱を登っていきます。
つまりこれはテントの外は現実の世界、中は夢の世界で、観客は現実から夢へ、そして現実へと導かれることになるのですが、現実と夢との境は実は曖昧で、それは劇中に度々象徴的に出てくる鏡にも言えることなのでしょう。ここにいる自分と鏡の向こうに映った自分との違いも実は曖昧です。
小難しいことはともかく、夜空の下で楽しむサーカスというのは格別でした。
OPEN SESAME の作品は、とても『わかりやすい』ことが特長です。
脚本や演出等良く計算されているし、BGMも照明も擬音の挿入タイミングもぴったりだし、文字通り老若男女が、それも育った環境、職業あるいは国籍等も問わずにきっと万人が楽しめることでしょう。
ジャグリングに関しては、それほど凝ったトリックは無くマニアにとっては物足りないかもしれませんが、ショーの流れにのった楽しさ溢れるジャグリングは、ハラハラドキドキというよりもウキウキルンルンと心が弾みます。
小出さんのこなれたジャグリング演技を期待していた人は拍子抜けしたかもしれませんが、私にとっては小出さんの普段のパフォーマンスで観られるシニカルなギャグを満喫できたので満足でした。
本人にとってはこう紹介されるのは不本意かと思いますが、行っていない人に公演のイメージをつかんでもらうには、メジャーなものを例に挙げるのが手っ取り早いのでご容赦願うとして、本ライブは全編イッセー尾形さんの一人芝居を思い起こさせるように、ある時は右翼青年、イラン人、AD、料理人、人形、はたまた電車おたくと、変幻自在に姿を変えてギャグを連発していきます。
音楽にしてもネタの題材にしても新しいものを取り入れて、容赦なく迫ってくるギャクのドライブ感に次第に酔ってきます。
ジャグリングに限って言えば、ボールとクラブのみがそれぞれ単独に演じられましたが、あくまでコント(と言っていいのかな!?)の幕間に披露されたといった感じで、ジャグリングは主役ではありませんでした。
ただボール(タイトル:よってんじゃねーよ)は、コンタクトジャグリングから始まり5ボールカスケードで終わるルーティンですが、タイトルから察すると、陶酔しきって演じる芸術派ジャグリングにチクリと一刺ししているのかと察し、何はともあれ思わずクックックと口元がゆるみました。
自由な発想から生じ、まるでエッシャーの絵のように不可解なことを我々の頭の中に描かせてくれる切り口の斬新さには感嘆します。
が、それは謎解きという意味ではなくむしろギャグは単純明快で、とてもシュールでありシニカルであり矛盾に満ちています。
決して他人を傷つけるような攻撃的なギャグではなく、それはわがままな自分を素直に受け入れて、その上で自分の内面に向けられつつ、なおかつ実際には人間の孤独をえぐっているようです。
本ライブは、何かと周囲から「ダ〜メダメッ!」と言われ、さもすると自身も「ダメだなぁ〜」と思ってしまうことが多い昨今ですが、そんな"ダメじゃん人間"への賛歌、あるいは応援歌といったところでしょうか。
心暖まる・・・・・ことは決してないけれど(^_^;)、楽しめました。
苦言をひとつ。
マジックを所々に取り入れているのですが、ハンドリングが少々お粗末なような気がします。
特にHippy Hop Rabbits(あるいはHippety Hop Rabbits)での箱の取り扱い、具体的には普段の時とネタを取るときの指の位置が違うなど気になる点が幾つかありました。
ジャリも何であんなに太いのでしょう。
あのマジックはサッカートリックとしては、とても良くできていて、どのように盛り上げてオチに持っていくかが大切なのですが、途中失敗もしていたし、かなりあっさりしていたので、どの位の人が面白さを分かっていたのか気になるところです。
ずばり、これに限らずマジックに関しては練習不足とみました。
何はともあれ本ライブを見事乗り切った(^_^;)私は、以前に増してこれから小出さんのパフォーマンスを何十倍も楽しむことが出来そうです。
サーカス関係のとあるプロデューサから、「元気いいぞう」というお笑いシンガーソングライターがいて、彼は普段は伊勢大神楽の社中(加藤菊太夫組)に入って各地をまわっているのだが、月末に月例ライブを開いているので聴きに行かないか誘われました。JR中野駅でそのプロデューサと、元気いいぞうさんにぞっこん惚れ込んで彼の全集までをも制作している編集者の方と待ちあわせて、会場に向かいました。
会場は、個人の住宅内のフローリングの広い部屋を使い、数十人も入れば一杯になりそうですが、いろいろと多目的に使用されているようです。
玄関を入ると元気いいぞうさんが思いっきりの笑顔で出迎えてくれました。
挨拶を終えコートを脱いでいると、瞬間「何か」がひらめきました。
それはきっと警察官が写真でしか知らない指名手配中の犯人を、街の雑踏の中で偶然に見つけた時の感覚に近いものでしょう。
頭の中で、元気いいぞうさんの顔と、昨年10月10日に羽曳野市古市で観た伊勢大神楽(山本源太夫組)の総まわしでのチャリ(道化役)との顔が重なったのです。
何と、私は元気いいぞうさんを既に見ていたのです!
その事を伝えると元気いいぞうさんも、あぁどこかで見たと思っていた、とうなずいてくれました。
さて彼の歌ですが、さきほどの編集者の言を借りるならば、『・・・彼の歌を聴いていると、ものすごくカタルシスを感じるのです。タブーを意識から葬り去ってしまおうとする僕たちの硬直した考えを、あっけらかんと笑い飛ばすような歌。だからたまっていたストレスが開放される。"癒し"の芸なんですね。・・・』
彼の歌で扱われる題材は、政治・経済・文化・事件あるいは皇室と、実に幅広いのですが、何を言い出すのだろう(ワクワク)、そんなこと言っていいの(ハラハラ)、よくぞ言ってくれた(ゲラゲラ)、と痛快極まりありません。
何やら30年前のアングラ系フォークソングのような匂いもありますが、私は何故か小松左京さんがやはり30年前ほどに早川書房で執筆されていた数々のショートショート(短編)を思い出してしまいました。
何故でしょう!?元気いいぞうさんの創り出す世界は、小松左京さんの描いていた世界と共通しているのでしょうか、双方ともに支離滅裂で徹底的にばかばかしくも、とんでもなく考えもつかない世界を眼の前に見せてくれるのと同時に、物事の本質を深く読んでのメッセージが込められているような感じを受けます。
とにかくピカイチの想像力と創造力を兼ね備えています。ぜひ皆さんも元気いいぞうワールドを体感してください。路上に繰り出す事もあるそうです。(なお元気いいぞうさんは現在34歳だそうです)
編集者の方が手作りでカセットテープによる「元気いいぞう全集(限定版)」を発刊しています。
これは月例ライブを収録したもので、今までに第1巻から第5巻まで出ています。
お問いあわせは、元気いいぞう全集・編集委員会まで。
また月例ライブ「元気いいぞう三〇日歌会」のお問いあわせは、TEL:03-3385-5659まで。
ライブの後に、どう芸を学んでいくのか、宿はどういった処で宿に帰ってきたら何をしているのか等、大神楽での生活ぶりをいろいろとお伺いすることができました。
笛や最近では獅子舞も少しずつ手掛けられるようになり、放下芸はご自身ではおやりになりませんが、いかにも出来るようなふりをしてチャリをこなすのが難しくってねぇ、と照れ笑いをされていました。
当初はどちらかというと「シンガー」としてではなく、「大神楽の芸能者」に会いに行くのが目的でしたが、見終えた後には歌の強烈な個性に洗礼を受け、何だかとてもラッキーな日でした。
ロックバンド、TVリポーター、寄席でのライブ、ガードマン、雑誌編集、そしてひょんなきっかけから入った大神楽の世界・・・『ミレニアムを生きるポジティブ思考の放浪芸人(雑誌クレセールの紹介記事より)』元気いいぞうさんをヨ・ロ・シ・ク!