アート見物記(2000年上半期)

  1. kaja ソロライブ(2000.6.29)
  2. 次世代ワールドホビーフェスティバル(2000.6.24)
  3. 上海雑技団・百戯春秋(2000.6.12)
  4. イリュージョン IN YOKOHAMA 2000(2000.5.30)
  5. ストリートパフォーマンス(2000.5.27)
  6. ランス・バートン(2000.5.5)
  7. ストリートパフォーマンス(2000.5.3)
  8. ノーラ・レイ(2000.4.30)
  9. SUMIDA 国際フール祭・フールコングレス(2000.4.30)
  10. フランツ・ハラーレイ(2000.4.29)
  11. ジュリアン・シャグラン(2000.4.28)
  12. あらい汎と立川真也(2000.4.28)
  13. BPズーム(2000.4.25)
  14. 野毛大道芸(2000.4.22〜23)
  15. SUMIDA 国際フール祭・オープニングショー(2000.4.20)
  16. ジャグリングワークショップ(2000.3.31)
  17. バルーンマジックセミナー(2000.3.27)
  18. サーカス物語(2000.3.24)
  19. クラウンのいる風景−RONE & Gigi−(2000.3.21)
  20. 小出直樹ソロライブ(2000.3.15)
  21. 元気いいぞう三〇日歌会(2000.2.29)
  22. ストリートパフォーマンス(2000.2.12)
  23. 赤い小人(2000.2.2)
  24. ボリショイサーカス(2000.1.18)
  25. NANTA(2000.1.14)

【kaja ソロライブ】

★公演:3Dラジオサーカス・kajaソロライブ
★出演:kaja
★場所:planB(東京都中野区)
★時間:6月29日(木)19時30分〜20時45分
★入場:1,500円
★内容:
★感想:
こういったソロライブでは、芸人一人をじっくりと観ることができるので楽しみです。
自分の技術を核に、試行錯誤しながら悩みに悩んで練り上げ創作したプログラムを、本人の自信や不安と共に共有できるのは、こういったソロライブならではものです。
じっくりと一人の芸人と付き合えるソロライブでの私なりの遊び方があります。
それは自分が今楽しんでいるこの環境を、頭の中でいろいろな場所に置き変えてしまうのです。planBという場所は観客が50人も入れば一杯になり、演者が立つスペースもお世辞にも十分とは言えません。
でももしここが路上だったら、ナイトクラブだったら、末広亭(寄席)だったら、サーカステントだったら、シアターコクーン(700人収容の劇場)だったら、東京国際フォーラム大ホール(5,000人収容の劇場)だったら・・・と想像を膨らませてみるのです。
とどうでしょう、kajaさんのパフォーマンスというのはサーカスに似合うと感じました。
欧州のサーカス団でのクラウン経験も豊富ということもあり、欧州サーカス団に出てくるクラウンにだぶつくところがあるような気がします。
kajaさんのパフォーマンスをひとことで言うならば「お洒落」です。
それは彼のそんなキャリアからにじみ出ているのでしょうか。
一言も喋らず、限られた空間を最大限に有効に使うような身体のしなやかな動き、そして新たな発見でした・・・音楽へのこだわり。
パフォーマンスでのBGM選曲も凝っていますが、ヘッドセットを付けての音響効果による宇宙を表現しながらの観客との楽しいやりとりなどは、シルクドソレイユなど新しいサーカスでのクラウン芸を思い起こさせます。
ギター演奏自体もなかなかのものでした。サーカスクラウンと楽器演奏は切っても切れない関係にあるし、どうしてもkajaさんとサーカスクラウンを結びつけてしまいます。
大道ではなかなか観ることができないこういった作品と、高度なテクニックのジャグリング・バランス芸が相まって、なかなか見応えのあるプログラムでした。

苦言を幾つか。

暗転下でのロープを使ってのスウィンギングは、ロープの蛍光度合いがしょぼくて効果半減でした。
ギターやヘッドセットによるコント(と言って良いの!?)は、もっともっと改良の余地があるように思えます。つまりもっともっと面白くなるはずだから、今後のバージョンアップを期待します。
綱の上でのバランス芸は無くても良かったのではないのでしょうか。 プログラムの流れからも、そしてplanBという場所からしても、個人的には違和感を覚えました。
しっかし、planBはジャグリングをするには狭すぎます。
これがkajaさん得意のハットジャグリングやバランス芸ならば良いのですが、天井の低さはトスジャグリングのダイナミックさを殺してしまいます。でも上にぶつかったボールが急降下しつつもピルエットしながらキャッチするkajaさんの技量には脱帽。

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【上海雑技団・百戯春秋】

★公演:上海雑技団・百戯春秋
★会場:よこすか芸術劇場
★開催:6月12日(月)18時30分〜20時30分
★主催:MIN-ON
★内容:
★感想:
雑技団のレベルも千差万別で、日本国内では雑技団自体の公演がほとんどないので質の高い公演を観る機会はそうはありません。
今回の上海雑技団はお薦めです。
技術的に上をいくアーティストはまだまだいるのですが、今回の公演で来日しているアーティストならば充分楽しめます。

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【イリュージョン IN YOKOHAMA 2000】

★公演:"2002年へキックオフ"プレイベント第1弾!イリュージョン IN YOKOHAMA 2000
★会場:パシフィコ横浜国立大ホール
★開催:5月30日(火)18時45分〜22時15分
★主催:(株)パシフィック・コンベンションサービス
★内容:
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【ストリートパフォーマンス】

★5月27日(土)、横浜MM21クイーンズ・パーク にて
★楽しんだ芸人さん達
デビッド・クレイパッチ、ダメじゃん小出、ハンガーマン
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【ランス・バートン】

★公演:ランス・バートン
★会場:東京国際フォーラム ホールA
★開催:5月5日(金)15時〜17時
★内容:
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【ストリートパフォーマンス】

★5月3日(水)、横浜MM21クイーンズ・パーク にて
★楽しんだ芸人さん達
Kaja(2回)、デビッド・クレイパッチ
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【ノーラ・レイ (SUMIDA 国際フール祭)】

★4月30日(日)15時〜15時20分、シアターX(カイ)にて
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【フール・コングレス (SUMIDA 国際フール祭)】

★4月30日(日)11時〜13時、シアターX(カイ)にて
★パネラー:
ベルナール・デュラン(仏国立サーカスアートセンター校長)、ジャン・ロック・アシャール(カナダアートコンサルタント)、ウラジミール・クリューコフ(ウクライナ演出家)、藍天(中国雑技芸術家協会副主席)、山口昌男(札幌大学学長)、田之倉稔(静岡県立大学教授)、西田敬一(司会)
★内容:
1.『ピエロからクラウンへ』田之倉稔
明治維新は文化面にも多大な影響を及ぼした。
欧米の曲馬団が来日し、クラウンが日本に紹介されたが、日本人は注目しなかった。
滑稽技に対する評価が少なかったのではないか。それは国内のみならずアジアには"道化"(道化は日本独特の言葉)という観念が確立されていなかった。
2.『中国の滑稽芸術の回顧と展望』藍天
中国においても道化は雑技のつなぎであり、独立した演目でもあり、サーカス芸術での地位を確立した。しかしまだまだ荒く底が浅く全体レベルが低い。
その原因としては、以下が考えられる。
・新中国建国後、道化の社会的地位が低い。反して、欧米ではつなぎではなく全体をリ−ドする役目を持っている。
・道化師が観客と一緒になる機会がなく、有っても無くてもよい存在。
・自作自演であり、道化師を育てる学校が一つもない。
雑技協会の主な動き;
1981年:雑技協会設立。
協会では道化に関するシンポジウムやセミナーを開催。
1995年:協会内で道化委員会を設置。演目の創作と新人の発掘を目的に「第一回滑稽コンクール」を開催。
1999年:優秀作品討論委員会設置。
2001年:「第一回道化国際フェスティバル」開催(天津にて)。
3.『道化師について』ジャン・ロック・アシャール
私にとってクラウンについて話すことは、生き方を話すことに等しい。
"クラウン"とは"自由"ということで、言うならば際限のない自由がクラウンに与えられているのである。
見方を変えるとサーカスの中でクラウンを選ぶのは一番危険なことである。つまり何を見せるのではなく、観客と分かち合わなければならない難しさがあるからだ。
クラウンの社会的地位が低いのは万国共通であり、フランスでもしかり。クラウンという言葉は否定的意味で使われている。
サーカスを芸術として認識し、社会的に尊敬して欲しい。
クラウンという定義ができていない。クラウン=クリエーターと書いてある辞典がないが、クリエーターでなければクラウンではないと思う。クラウンには楽譜も台本もなく、クラウンは自ら創り上げなければならない。クラウンという存在が少ないと感じるのはコピーが多いからだろう。
クラウンの教育に携わってきて、どうしたらよいのか悩んできて一つ悟ったことがある。
それは、クラウンになるための直接的な指導法は無いということである。つまりできるだけ多くのツールを教えてあげるということである。道具箱の中にいろいろな道具が入っていて、使いこなせる技術をなるべく多く習得するという、学校では方法論、技術論を学ぶのである。
マイムは一つの道具にすぎないのであり、目的にして学ぶべきではない。
クラウンは成熟したものであり、いろいろなものを観て感じ取って欲しい。
パーソナリティ、アイデンティティがクラウンには必要であり、日常でのクラウンの役割は、魂を直し人生に希望を与える医者である。
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【フランツ・ハラーレイ】

★公演:フランツ・ハラーレイ・メガイリュージョン
★会場:国立代々木競技場第二体育館
★開催:4月29日(土)11時30分〜14時
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【ジュリアン・シャグラン (SUMIDA 国際フール祭)】

★4月28日(金)19時〜20時20分、シアターX(カイ)にて
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【あらい汎と立川真也 (SUMIDA 国際フール祭)】

★4月28日(金)15時〜16時20分、シアターX(カイ)にて
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【BPズーム (SUMIDA 国際フール祭)】

★4月25日(火)19時〜20時10分、曳舟文化センターにて
★ひとこと:
とても良かったです。特に作品の組み合わせというか、作品同士のつながりが非常に良くできていたように思えます。
確かに各々の小作品自体は別物ですが、いつの間にか次の作品に何ら違和感無く移っていくのです。しかも「序破急」を感じさせるが如く、作品にうねりがあり後半にさしかかると、グッと盛り上がってきます。
緞帳が上がってのオープニングは特に感心しました。
仕事帰りでまだまだ雑念でもやもやした頭をクリアにしきれず、世俗の衣をまとった自分を、この作品はBPズームの世界に無理矢理ではなく、あくまで穏やかに導いてくれました。
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【野毛大道芸】

★楽しんだ芸人さん達
4月22日・土(TOONS、王健・アリ、吉本大輔、ポンタ)
4月23日・日(サンキュー手塚、Mr.アパッチ、モスクワブラザーズ、ニルスポール)
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【オープニングショー(SUMIDA 国際フール祭)】

★4月20日(木)19時〜21時、シアターX(カイ)にて
★楽しんだ芸人さん達
Kaja、ジョリジュリ企画、ナナナ、小出直樹、重森一、三雲いおり、Mr.DAI、ハンガーマン、ましゅ&Kei、キシタカ、さわめちから、ふくろこうじ
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【ジャグリングワークショップ】

★ワークショップ:ジャグリング・ワークショップ
★講師:トニーダンカン (Tony Duncan)
★日時:3月31日(金)18時30分〜21時30分
★場所:板橋区立仲町区民センター
★参加費:3,000円
★参加者:18名
★内容:
  1. ストレッチ
    トニーさんの指導の元、参加者全員でのストレッチ運動。
  2. レクチャー
    何故ジャグリングをするのかという問いに始まり、ジャグリングの学習に必要な3要素(意志、能力、集中力)について、肉体面からあるいは精神面からみた練習への取り組み方等々、どの話も非常に参考になるものばかり。
  3. ゴール宣言
    マスターしたいと思っているトリックを一つだけ、一人一人自己紹介を含めて宣言。
  4. 一発芸披露
    有志数人によるジャグリング一発芸を披露。
  5. ゴールに向けて
    設定したゴールを達成するために、演者が第三者を交えてディスカッションしながら上達する方法を見い出していくという方法論を紹介し、本ワークショップで試行。
    • 第一段階
      ケーススタディとして一人の参加者を例にとり、第三者(トニー)となった人間は、演者が何をしようとして、現実として何が起きているのか観察し、何故できないのかを分析し、演者がそれをどう理解しているのかを推測した上で、どうしたら良いのか、その解決法を演者と第三者が議論しあうことにより、演者が納得し動機づけられるより具体的な練習方法を組み上げていくプロセスを、参加者に知ってもらう。
    • 第二段階
      各自が宣言したマスターしたいトリックを練習しているところに、トニーさんが回ってきて一人一人と議論し効果的な練習方法を見い出す作業をする。
      私の場合は、「自分では何が巧くいって、どこが良いと思うか」、「どこがまずいと思うか、どうしたら良いと思うか」など矢継ぎ早に質問され、しどろもどろのうちにトニーさんが様々な意見や提言を下さいました。
      教えられたことは、以下の点です。
      どこが巧くいっているかを考えることは、どこが悪いかを考えるのと同様に重要なこと。
      他人の練習法について一緒に議論し考えることは、自らの上達にも役立つ。
      最終的なゴールは目標ではあるけれど、あまりそれにとらわれずに小さな一歩一歩の進歩に焦点をあててそれを楽しむくらいが良い。
    • 第三段階(時間不足で中途半端な作業となってしまいました)
      グループ分けをして、演者と第三者数人とが議論する。
  6. デモンストレーション
    ・コンタクトジャグリング(3−>4−>5ボール)
    ・トスジャグリング(3ボール)
    ・バウンシングジャグリング(5−>7ボール)
  7. 質疑応答
★ひとこと:
参加者の誰かがこのような質問をしたということではありませんが、テレビのリポータがよくしがちな「貴方にとってジャグリングとは何ですか?」なんていう質問は彼のようなプロには全く持って無意味でしょう。
華麗なデモンストレーションの際に漏らした「これは新しいトリックで、4年練習しています」という一言には胸を打たれます。たった数秒のトリックのために4年間を費やす・・・
一定の地位を築き、いたるところに爆弾を抱えているような身体ですが、常に挑戦者であり続けるという姿勢は、ボールという農耕具をもとにジャグリングという土地を開墾する開拓者、あるいはジャグリングという世界の中の未開の地を突き進む探検家のようなフロンティア魂、いや執念すら感じます。
そのような人に、人生におけるジャグリングの関わりみたいなことを聞くこと自体ナンセンスです。
そういえば彼は、クリエイティブになること、そして我慢強くあれと強く何度も説いていました。

さてワークショップに配られた紙には、レクチャーで述べられた彼の考え方が要領良くまとまっています。
面白いことに、ジャグリングということを抜きにして今一度読み直してみると、ここで説かれていることは例えば身体パフォーマンスの全てのジャンルに言えることではないでしょうか。
一つの芸能を極めた人から発せられる言葉は、全ての芸能に共通しているというのは非常に興味深いことです。

私がワークショップに参加するのは技術を学ぶというよりも、彼のようなプロから"パワー"を少しでも頂戴するのが目的です。
またネット上でしか知らないジャグラーの方々と知り合えるのも楽しみの一つです。

通訳の中嶋さんは、ジャグリングに関しては強者(つわもの)であるだけに、トニーさんの言葉の真意をくみ取り、単なる直訳ではなく我々参加者のストレスをためることなく通訳に努められていました。

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【バルーンマジックセミナー】

000327"
★セミナー名:バルーンマジックセミナー
★講師:エミリー杉浦
★主催:エミリーズバルーン株式会社
★場所:PIO大田区産業プラザ2階小展示ホール
★日時:3月27日(月)10:00〜18:00
★会費:18,000円(第1部、第2部、第3部全て受講の場合)
★内容:
第1部マジックバルーンビギナーズコース(10:00〜12:00)
ペンシルバルーン(260)による造形。
風船の基礎知識、基礎テクニック紹介、犬、ウサギのナプキンホルダー、ブドウ、指輪、帽子、ミッキーマウスの耳、チェーン。
第2部マジックバルーンアドバンスコース(13:00〜15:00)
ペンシルバルーン(260)を使った各種編み方(Straight Weave、Round Weave、フレームに巻き付ける)のテクニックを習った後、シルクハットやバスケットなど自由に製作。
第3部リンコルーンバルーンコース(15:30〜18:00)
リンコルーンバルーンの使い方を習った後に、アーチ、ラクダ(高さ約2m)、椰子の木(高さ約2m)を製作。
★ひとこと:
ペンシルバルーンで最初に動物を造ったのがかれこれ25年前。途中に空白期間はあったものの、さすがにバルーンに関しては最近は中だるみで、刺激が欲しくて本セミナーに参加しました。

ただエミリーズバルーンはバルーンデコレーションを業務とする会社なので、大道芸人がほんの十数秒で造ってしまう、例えば動物のたぐいではなく、人手も時間もかかる装飾用の造形が中心でした。
ほんのちょっとしたノウハウを知っているか知らないかで、造形物の出来具合を左右してしまいます。そんなコツを聞けたのは収穫でした。

リンコルーンバルーンは、ラウンドバルーンの吹き込み口の反対側にしっぽがついているバルーンです。
このおかげでバルーンを縦列接続することができ、今までクラスタに頼りがちだったデコレーション方法に幅が出てきました。なかなか面白いバルーンです。

自分がパフォーマンスをする際に、あまりに周りが殺風景だと事前にバルーンで飾り付けすることがあります。
一人で前日から用意して、当日朝早く作業するのでそれだけで疲れちゃうけれどね。

バルーンは色鮮やかでボリューム感もあるので、パフォーマンス会場に色を添えるにはうってつけです。
(海外のことは良くは知らないが)どうも日本のイベント類は、楽しさを演出する工夫が足りないような気がします。ショー自体の中味は当然重要だけれど、環境演出も大切だと思います。

ジャグリングサークルも各地にできつつあり、自主的なイベントも活発に行われているようなので、そのような時には予算と作業員に余裕があれば、是非バルーンでデコレーションすることをお勧めします。
昔に比べればバルーンの価格もリーズナブルになってきたし、ビデオや書籍等の教材も豊富に揃っているので、その気になれば独習できます。

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【サーカス物語】

★公演:サーカス物語
★原作:ミヒャエル・エンデ(矢川澄子・訳)
★脚本・演出・振付:知念正文/IKUO三橋
★場所:ナムコ・ワンダーエッグ奥の特設テント(東京都世田谷区)
★会期:3月15日〜26日(全16回公演)
★入場:6,000円(大人)、3,500円(18才以下)
★主催:社団法人日本劇団協議会、劇団鳥獣戯画+むごん劇かんぱにいプロデュース
★ストーリー:
冬の夕暮れ、町はずれの空き地で仕事にあぶれたサーカス団員たちが途方に暮れていた。 そこへピエロのジョジョがやっと化学会社の宣伝の仕事を見つけてきた。ただ、条件が一つ。知的障害者の少女エリをメンバーから外せというのだ。皆は困り果てるが、事情の分からないエリはジョジョにいつものようにお話をせがむ。
その話とは、鏡に映る影の世界で暮らしていた王女が"明日の国"の王子に恋をし、現実を探す旅に出る。一方王子は魔性の女アングラマインに王国を追放されてしまうが、苦難の末2人は巡り会うというもの。
★ひとこと:
24日に行きました。公演時間は19時〜21時15分。
遊園地を抜けた先の空き地にテントが建てられています。
19時近くになるとテント周辺の空き地が騒がしくなってきます。サーカス団員たちが楽器演奏をしたりジャグリングをしたりとくつろいでいるのですが、もう既に劇は始まっています。
フェリーニの世界に迷い込んだかのようで、観客の気分は徐々に高まっていきます。

やがて空き地にセッティングされた一丁ブランコで、マリーズ・ムジカさんが優雅に空中アクトを演じ、あるいはいはらつトムさんが火吹きを披露たりして、団員たちが焚き火の周りに集まり、ピエロのジョジョが登場して前述のストーリーに入っていきます。
少女エリがピエロのジョジョにお話をせがみ、そのお話が始まるところで観客はテントの中へ移動し、男の語る世界が目の前に現れ始めるという演出です。

最初のうちはあまりに壮大なファンタジーな内容と、生身の人間が演じているそのさまのギャップについていけませんでしたが、演者の技量のおかげでやがてリラックスして楽しめるようになりました。
物語の間にジャグリングやサーカス芸(空中アクト、綱渡り)が挿入されますが、ストーリーが分断されないがための演出上の苦労が察せられます。
2人の男たちが肉体芸、マジック、皿回しあるいはボールジャグリング等で競い合うのですが、その掛け合いは笑えました。

ジャグリングもサーカス芸もたっぷりとは観ることができませんが、演劇(ミュージカル)と曲芸とをミックスさせるという実験的試みは、「鳥獣戯画」と「むごん劇かんぱにい」ならではの企画かと思います。

さてテントの中ではみごと王女と王子が巡り会い、魔性の女を退治して"明日の国"を取り戻すというハッピィエンドですが、王女とはエリであり王子とはジョジョであるという夢と現実が倒錯した不可思議な現実の世界でも、エリを手放さずに団員が一緒になってこれからも活動するという結末を迎え、観客は再度テントを出ます。

外ではブルーノ・セラティさんが空中ブランコを、ディディエ・パスケットさんが綱渡りを演じます。それはまるで夜空の月に吸い込まれて行くが如く、テントの頂点まで張られた何十mもの綱を登っていきます。

つまりこれはテントの外は現実の世界、中は夢の世界で、観客は現実から夢へ、そして現実へと導かれることになるのですが、現実と夢との境は実は曖昧で、それは劇中に度々象徴的に出てくる鏡にも言えることなのでしょう。ここにいる自分と鏡の向こうに映った自分との違いも実は曖昧です。

小難しいことはともかく、夜空の下で楽しむサーカスというのは格別でした。

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【クラウンのいる風景−RONE & Gigi−】

★公演名:クラウンのいる風景−RONE & Gigi−
★公演場所:横浜市教育会館ホール(tel:045-231-0960)
★公演日:3月18日〜23日
★入場料金:2,500円(Aプロ)、3,000円(Bプロ)/全席自由
★内容:
風景1 プロローグ
風景2 オープニング
風景3 P.S. HAPPY BIRTHDAY
浮浪者と交通事故で記憶を失ったサラリーマンが、偶然に出会いお互い反目しあいながらも、しだいにお互いを気遣いつつ心を許し合っていくさまを描いています。
風景4 ザ・クラッシクス
RONEとGigiがジャグリングを披露します。
3ボールでは、観客とのユーモラスなやりとりもあり、また帽子を交えつつのSteals & Takeawaysもコミカルに決めていきます。
一人が植木鉢を最大3ヶ持ち、二人が同期しながらシェイカーズカップのように音を立てながらリズミカルにトリックを決めていきます。Clockworkの演技を思い起こさせます。
6クラブのパッシング。
風景5 運の悪い人
何をしてもついていない悲惨なサラリーマンが、一転して幸運に恵まれます。 お札を拾い、自動販売機でジュースを買えば当たりでもう一本!というところで思わぬ事態に・・・
奇想天外な場面転換に場内爆笑。
風景6 夜ヲ想フシラベ
白塗りの顔で白い衣装のピエロ(日本でいうところのピエロではありません)の華麗な踊りの背後で、RONEとGigiがチョロチョロといたずらっぽく踊っています。
風景7 雨
風景8 開戦前夜
バルーンの剣を持った頼りない二人の兵士に一人の観客を交え、さぁ三人でいざ出陣です。
風景9 エンディング
風景10 カーテンコール
★ひとこと:
Aプロ(Happy Anniversary 幸せのひとしずく)が3/18〜20、Bプロ(クラウンのいる風景)が3/21〜23と公演され、私は21日のBプロ(19:00〜20:30)を観に行きました。
観客数は40〜50人程度といった感じで少な目でした。
このプログラムは数年前に一度観ていますが、作品自体以前にも増して練り上げられ、RONEとGigiのコンビネーションも冴えわたっているといった感じで、何度観ても楽しめます。

OPEN SESAME の作品は、とても『わかりやすい』ことが特長です。

脚本や演出等良く計算されているし、BGMも照明も擬音の挿入タイミングもぴったりだし、文字通り老若男女が、それも育った環境、職業あるいは国籍等も問わずにきっと万人が楽しめることでしょう。
ジャグリングに関しては、それほど凝ったトリックは無くマニアにとっては物足りないかもしれませんが、ショーの流れにのった楽しさ溢れるジャグリングは、ハラハラドキドキというよりもウキウキルンルンと心が弾みます。

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【小出直樹ソロライブ】

★公演:ダメじゃん小出一人決起集会ライブ「ふりにげ」
★出演:小出直樹
★場所:planB(東京都中野区)
★時間:2000年3月15日17時30分〜20時45分
★入場:2,000円(当日)、1,500円(前売)
★内容:
ごあいさつ
ダメじゃんのプロフィール
イラン人
おぼえてないっス
よってんじゃねーよ
イラン人
まちがい
クッキング
手技
モビルスーツ
イラン人
トレイング
★感想:
開演前には用意した80程の席は満杯。立ち見も出るほどの盛況ぶりでした。

小出さんのこなれたジャグリング演技を期待していた人は拍子抜けしたかもしれませんが、私にとっては小出さんの普段のパフォーマンスで観られるシニカルなギャグを満喫できたので満足でした。

本人にとってはこう紹介されるのは不本意かと思いますが、行っていない人に公演のイメージをつかんでもらうには、メジャーなものを例に挙げるのが手っ取り早いのでご容赦願うとして、本ライブは全編イッセー尾形さんの一人芝居を思い起こさせるように、ある時は右翼青年、イラン人、AD、料理人、人形、はたまた電車おたくと、変幻自在に姿を変えてギャグを連発していきます。
音楽にしてもネタの題材にしても新しいものを取り入れて、容赦なく迫ってくるギャクのドライブ感に次第に酔ってきます。

ジャグリングに限って言えば、ボールとクラブのみがそれぞれ単独に演じられましたが、あくまでコント(と言っていいのかな!?)の幕間に披露されたといった感じで、ジャグリングは主役ではありませんでした。
ただボール(タイトル:よってんじゃねーよ)は、コンタクトジャグリングから始まり5ボールカスケードで終わるルーティンですが、タイトルから察すると、陶酔しきって演じる芸術派ジャグリングにチクリと一刺ししているのかと察し、何はともあれ思わずクックックと口元がゆるみました。

自由な発想から生じ、まるでエッシャーの絵のように不可解なことを我々の頭の中に描かせてくれる切り口の斬新さには感嘆します。
が、それは謎解きという意味ではなくむしろギャグは単純明快で、とてもシュールでありシニカルであり矛盾に満ちています。
決して他人を傷つけるような攻撃的なギャグではなく、それはわがままな自分を素直に受け入れて、その上で自分の内面に向けられつつ、なおかつ実際には人間の孤独をえぐっているようです。

本ライブは、何かと周囲から「ダ〜メダメッ!」と言われ、さもすると自身も「ダメだなぁ〜」と思ってしまうことが多い昨今ですが、そんな"ダメじゃん人間"への賛歌、あるいは応援歌といったところでしょうか。
心暖まる・・・・・ことは決してないけれど(^_^;)、楽しめました。

苦言をひとつ。

マジックを所々に取り入れているのですが、ハンドリングが少々お粗末なような気がします。
特にHippy Hop Rabbits(あるいはHippety Hop Rabbits)での箱の取り扱い、具体的には普段の時とネタを取るときの指の位置が違うなど気になる点が幾つかありました。 ジャリも何であんなに太いのでしょう。
あのマジックはサッカートリックとしては、とても良くできていて、どのように盛り上げてオチに持っていくかが大切なのですが、途中失敗もしていたし、かなりあっさりしていたので、どの位の人が面白さを分かっていたのか気になるところです。
ずばり、これに限らずマジックに関しては練習不足とみました。

何はともあれ本ライブを見事乗り切った(^_^;)私は、以前に増してこれから小出さんのパフォーマンスを何十倍も楽しむことが出来そうです。

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【元気いいぞう三〇日歌会】

★公演名:元気いいぞう三〇日歌会
★場所:中野ハルコロホール
★公演日:2000年2月29日(火)19時〜21時
★内容:
「元気いいぞう」という芸名を覚えて下さい。

サーカス関係のとあるプロデューサから、「元気いいぞう」というお笑いシンガーソングライターがいて、彼は普段は伊勢大神楽の社中(加藤菊太夫組)に入って各地をまわっているのだが、月末に月例ライブを開いているので聴きに行かないか誘われました。JR中野駅でそのプロデューサと、元気いいぞうさんにぞっこん惚れ込んで彼の全集までをも制作している編集者の方と待ちあわせて、会場に向かいました。
会場は、個人の住宅内のフローリングの広い部屋を使い、数十人も入れば一杯になりそうですが、いろいろと多目的に使用されているようです。
玄関を入ると元気いいぞうさんが思いっきりの笑顔で出迎えてくれました。
挨拶を終えコートを脱いでいると、瞬間「何か」がひらめきました。
それはきっと警察官が写真でしか知らない指名手配中の犯人を、街の雑踏の中で偶然に見つけた時の感覚に近いものでしょう。
頭の中で、元気いいぞうさんの顔と、昨年10月10日に羽曳野市古市で観た伊勢大神楽(山本源太夫組)の総まわしでのチャリ(道化役)との顔が重なったのです。
何と、私は元気いいぞうさんを既に見ていたのです!
その事を伝えると元気いいぞうさんも、あぁどこかで見たと思っていた、とうなずいてくれました。

さて彼の歌ですが、さきほどの編集者の言を借りるならば、『・・・彼の歌を聴いていると、ものすごくカタルシスを感じるのです。タブーを意識から葬り去ってしまおうとする僕たちの硬直した考えを、あっけらかんと笑い飛ばすような歌。だからたまっていたストレスが開放される。"癒し"の芸なんですね。・・・』

彼の歌で扱われる題材は、政治・経済・文化・事件あるいは皇室と、実に幅広いのですが、何を言い出すのだろう(ワクワク)、そんなこと言っていいの(ハラハラ)、よくぞ言ってくれた(ゲラゲラ)、と痛快極まりありません。

何やら30年前のアングラ系フォークソングのような匂いもありますが、私は何故か小松左京さんがやはり30年前ほどに早川書房で執筆されていた数々のショートショート(短編)を思い出してしまいました。
何故でしょう!?元気いいぞうさんの創り出す世界は、小松左京さんの描いていた世界と共通しているのでしょうか、双方ともに支離滅裂で徹底的にばかばかしくも、とんでもなく考えもつかない世界を眼の前に見せてくれるのと同時に、物事の本質を深く読んでのメッセージが込められているような感じを受けます。
とにかくピカイチの想像力と創造力を兼ね備えています。ぜひ皆さんも元気いいぞうワールドを体感してください。路上に繰り出す事もあるそうです。(なお元気いいぞうさんは現在34歳だそうです)

編集者の方が手作りでカセットテープによる「元気いいぞう全集(限定版)」を発刊しています。
これは月例ライブを収録したもので、今までに第1巻から第5巻まで出ています。
お問いあわせは、元気いいぞう全集・編集委員会まで。
また月例ライブ「元気いいぞう三〇日歌会」のお問いあわせは、TEL:03-3385-5659まで。

ライブの後に、どう芸を学んでいくのか、宿はどういった処で宿に帰ってきたら何をしているのか等、大神楽での生活ぶりをいろいろとお伺いすることができました。
笛や最近では獅子舞も少しずつ手掛けられるようになり、放下芸はご自身ではおやりになりませんが、いかにも出来るようなふりをしてチャリをこなすのが難しくってねぇ、と照れ笑いをされていました。

当初はどちらかというと「シンガー」としてではなく、「大神楽の芸能者」に会いに行くのが目的でしたが、見終えた後には歌の強烈な個性に洗礼を受け、何だかとてもラッキーな日でした。

ロックバンド、TVリポーター、寄席でのライブ、ガードマン、雑誌編集、そしてひょんなきっかけから入った大神楽の世界・・・『ミレニアムを生きるポジティブ思考の放浪芸人(雑誌クレセールの紹介記事より)』元気いいぞうさんをヨ・ロ・シ・ク!

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【ストリートパフォーマンス】

★2000年2月12日、横浜MM21クイーンズ・パーク にて
★楽しんだ芸人さん達
小出直樹(2回)、川原彰
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【ボリショイサーカス】

★公演:ボリショイサーカス
★会場:東京ドームシティ特設サーカス劇場
★開催:1999年12月23日〜2000年2月27日
★内容:
★感想:
1月18日14:00〜15:45。
ジャグリングについて....
オープニングの演目がジャグリングで、まだ心の準備が整っていないのに・・・と思いつつ舞台からかなり後ろの席から目をこらしつつ観ました。
女性2人・男性3人、計5人でクラブパスを披露するのですが、早いし良く動き回るし、アクロバティックな動きはあるわで、充分楽しめました。
感心するのは最後方(最上段)の観客でも楽しめるように、十分配慮して演出・構成されていることです。
前にも書いたかもしれませんが、円形舞台を上手に使い、観客席が階段状になっていて上段から観られるということを意識して、本当にダイナミックにクルクルと良く動きます。
上方から見る人とクラブの動きは、「凄い」というより「美しい」です。
パスする距離や高さは、ステージ上のアクトとは比較にならないくらい相当なものでしょう。
肩の上に乗ってのパスや馬跳びしながらのパスなんて当然。
一人の人が前屈みになり、と言っても背筋を伸ばして上半身だけを50度位(かな?)お辞儀をするように前方へ傾けます。実際にパスをする人はその人の背中に背中合わせに、頭を下にして乗り、両手は自由にして別の人とパッシングをするなど、全身を使ってのサーカス芸人ならではのジャグリングでした。
パッシングのフォーメーション等技術的なことはわかりませんが、何より驚くべきことは誰一人として「一度も」クラブを落とさないことです。
このことに関しては「凄い」の一言。
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【NANTA】

★公演:NANTA 〜COOKIN' BEATS〜
★会場:青山劇場
★開催:1月14日(金)19時30分〜20時50分
★料金:8,000円(S席)、7,000円(a席)
★内容:
調理場を舞台としたパフォーマンスは中国雑技などで観ることがありますが、「NANTA(乱打)」は、調理場にある身近な物から発するリズムをベースとして、4人の料理人とひとりの支配人が繰り広げる、韓国オリジナルのミュージカル・パフォーマンス・ショーです。
韓国の4つの伝統的打楽器によるパーカッション・ アンサンブル「サムルノリ(四物遊戯)」は日本でも知られていますが、NANTAは、この独特のビートのリズムに合わせて展開する、ステージ・アートです。
ジャグリング、武術、アクロバットなど盛りだくさんの見どころを交えて、コミカルにストーリーが展開していき、家族連れで楽しめる構成になっています。
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