他の人のアドバイスも聞いてみましょう
5ボールカスケードの練習方法は、人それぞれに違うと思います。
ここでは5ボールジャグラーの経験談やアドバイス等を紹介します。
- 西川正樹さんの場合
- 松岡顕さんの場合
- 碓井乱さんの場合
- チャン助さんの場合
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西川正樹さんの場合
私にとって役に立った一言アドヴァイス(from rec.juggling)
- 5ボールは、「たぶん」君が考えているよりも高く、ゆっくりだ。
- もし、空中でボールが衝突して失敗することが多いなら、君のテンポは速すぎる。
- 呼吸を止めるな。
- 5ボールにスピードはいらない。必要なのは正確さ。
松岡顕さんの場合
- はじめに
5-ball cascadeの練習を始めてから、もう1年以上になりますが、いまだに満足のいくレベルとは言えません。現在の最高記録は約70catch(*)。でも、調子の悪いときは10catchにも満たないような状態に陥ることさえあります。5-ballのことを語るには、まだ早いとは思いますが、参考のひとつとしてお聞き下さい。
(*) catch: ボールを受けた回数。5回投げて5回受けたら、5catch。
(ボールの数)catch ができたら flash、
(ボールの数)×2catch ができたら juggleという。
5-ballなら、5catchでflash、10catchでjuggle。
- 5-ballの習得に要する時間
上達の早さには個人差がありますし、目標とするレベルもそれぞれでしょうから、一概には言えません。5〜10catch(*)がたまに続く程度なら、数ヶ月で出来るようになるでしょう。
しかし、5-ballの本当の難しさは、その上のレベルに進もうとしたときに思い知らされる事になります。人に見せられる程度になるには、100時間ぐらいは見込んでおいてください。1ヶ月ぐらい全然上達がなくても、諦めることはありません。そのまま、3ヶ月、半年と続けていれば、少しずつ進歩するものです。才能がないと言う前に、1日20分の練習を1年続けてみて下さい。
- 練習する上で気を付けること
あまりボールにばかり意識を集中するのではなく、姿勢は正しいか、左右のバランスは良いか、無駄な力が入っていないか、気持ちがリラックスしているか、など、全体に気を配りながら練習しましょう。上手い5-ballジャグラーは、余裕を持ってゆっくりと投げているものです。
5-ballには、ある程度の高さが必要です。最低でも、手をまっすぐ上に伸ばしたぐらいの高さは必要でしょう。日本の平均的な住居で練習している方は、頻繁に天井にボールをぶつけて、上の住民の怒りを買うことになります。だからと言って、座ってジャグリングの練習をするのは、やめたほうがいいと思います。座っていると、腕が十分に振り下ろせないので、安定しないし、変な癖がついてしまうようです。できることなら、外で練習するか、天井の高い部屋に引っ越しましょう(^_^)
練習に使うボールは、普通のジャグリング用のボール(約150g)で十分です。
軽すぎるとかえって安定性が良くありません。ぶつかった時にあちこちに飛び散るので、Beanbagを使う方が楽でしょうね。
- 効率の良い練習
連続して長時間の練習をすると、癖が固まってしまうし、集中力はなくなり、筋肉も疲労します。たくさん練習をしたくても、1回の練習は30分以内にとどめて、十分な休憩を取りましょう。
ずっと同じ場所で練習するのも、癖が固まる原因になるので、ときどき場所を変えるのも効果的です。
- 投げるタイミング
3-ballに熟練してくると、ボールを受けると同時に投げる、というタイミングになっているはずです。しかし、5-ballでは、手にボールを持っている時間を出来るだけ長くした方が安定するようです。受けた後、少し間を置いてから、反対の手のボールを投げるようにしてみましょう。私が作ったジャグリング・シミュレーション・ソフト、JuggleMasterで言うならば、dwell ratio=1.5ぐらいのタイミングがよいと思います。
- 眼鏡について
ジャグリングの練習をする時ほど、自分の目が悪いことを恨めしく思うことはありません。眼鏡をかけていると、視界が歪みますし、視野も狭くなります。夏の暑いときに練習していると、汗で滑ってずり落ちてくるのですが、両手がふさがっているので、直すこともできません。そして何より、ボールやクラブがぶつかって眼鏡を壊してしまうのが痛い(経済的にも、肉体的にも)。
トップクラスのジャグラーで、眼鏡をかけている人がほとんどいないのは、偶然ではないと思います。プロのジャグラーのブッチ・リードさんは強度の近眼なのですが、眼鏡を外して練習した方が上達が早いと言っていました。
最近、コンタクトレンズを試しているのですが、ジャグリング中は眼球をぐりぐり動かすので、レンズがずれてしまって調子が良くありません。単に馴染んでいないだけかもしれませんけど。結局、今は眼鏡をかけたまま練習しています。
いろいろマイナス要因を書きましたが、目が悪いからと言って、ジャグリングを諦めてしまってはいけません。5-ball程度ならば、眼鏡をかけていても、習得できるのは間違いないことですから。
碓井乱さんの場合
- 僕自身が5ボールカスケードをマスターするまでの経過を簡単にお話します。
独習で比較的速く(約1ヶ月)できるようになった(といっても平均10キャッチくらいだったとおもいますが)点では参考になることがあるかももしれませんが、ジャグリングに関する情報のすべてが '94の5月号のピーターフランクルさんの科学朝日の記事《注1》だったこと、僕自身が左利きのわりには右手も使えること(ジャグラーにとっては有利)、3ボールお手玉はもともとできていたこと、といった特殊な点があります。
- そのためか、5ボールをできるようになるまでに覚えた技の種類も少なくて、その記事に書かれたものの一部だけで、具体的には3ボールカスケード、サイトスワップ《注2》でいうと441(3ボールトリックで5カスケードには直接役立たない)、5551(4ボールmountain)の3種類で、4ボールファウンテンは知りませんでした。5551と5カスケードはだいたい同時にできるようになったので、4ボール5551と5ボールカスケードは同じレベルだと思います。
その記事のなかに書いてあるアドバイスで一点後々まで役立ったことは腕のフォームについてかかれていた部分です。
3ボールお手玉はアウトサイドスロー(体の外へ向かって腕を振る投法)でしていたためインサイドスロー(体の内へ向かって腕を振る投法)と逆であるため慣れていなかったのと、特に大事なのは腕のフォームを固定することがボールのコントロールのために必要だからです。
具体的には、「ボールは手首の力で投げずに、腕で投げます。つまり手がヘソの前に来たときボールを放つと、腕の運動力によってボールが毎回ほぼ同じ方向に飛んで行きます。」と書いてありこれをいつも意識して練習してました。
特に5551をするときにはボールがすぐにぶつかるためコントロールがとても大切でした。一回ぶつからないボールの高さやタイミングをつかんだら、その時の腕のフォームを感覚として覚えるようにすると衝突はだんだん減ってきました。
- 5カスケードとは直接関係ないですが、同じ記事中に紹介のあった、テニスボールに穴をあけて中にコインをつめるということをしていたのですが、テニスボールを使って部屋の中の一定の場所でジャグるときは小さな毛が抜けて舞うためせきこみ、ラクロスボールを買うまでは結構困りました。
初心者の人のやる気をそぐ可能性があるためアレルギー性の方は特に注意が必要だと思います。
- それからホールのある技は僕も5カスケードの練習のためにしたわけではありませんが、3ボール504を練習するときホールのところで太股をパンッとたたくとリズム感よくできるようになったことがありました。4ボールのホール技の場合ももしかしたら役立つかもしれません。
チャン助さんの場合
- 私の場合、40才近くになってジャグリングを始め、40才を過ぎてから5ボールカスケードの練習を始めました。自分で言うのも何ですが、私は運動神経は悪く(キッパリ!)、それゆえ球技が大嫌いで今もって全く興味がありません。そんなわけで3ボールカスケードですら、それなりに出来るようになるまで数週間もかかりました。
ましてや5カスケードにいたっては、意識し始めてから1年近くもかかりました。
- ジャグリングにおける「凡人」と「資質ある人」との境目がはっきりするトリックというのはどの様なものなのでしょうか。
例えばフルマラソンの場合、3時間を切るランナーをサブスリーランナーと称し、真のランナーとして讃えます。つまり凡人は努力だけで2時間台の記録を出すことは難しく、そこには長距離ランナーとしての資質が要求されるわけです。
- ジャグリングに必要な資質とは何かという議論は別にして、5ボールカスケードは運動神経が悪くても才能が無くてもおじさんでもマスターできると確信しています。
要するにあきらめずに根気よく続ければ5ボールカスケードの扉は必ず開くということです。
がんばりましょう!!
《注》の説明
- 《注1》
「科学朝日/大道数学者ピーターフランクルのすべて・ピーターフランクル著(朝日新聞社)」1994年5月号。
- 《注2》
サイトスワップとは、ジャグリングのパターンの表記法のこと。